秋田県と同じ位の面積を有する小さな国カタール。 サウジアラビア,アラブ首長国連邦,バーレーン,エジプト、イエメンなどの周辺諸国が、イランとの国交断絶などをカタールに求めていました。 2017年6月それらの国は、この要求に応じなかったカタールとの交関係断絶を発表。 今だにこの状況は変わっておらず、カタールはより一層イランとの国交を強化させることを発表することで、サウジアラビアをはじめとした周辺諸国との亀裂を深刻化させています。 さて、カタールの国民はこの状況をどのように捉えているのでしょうか? 周辺国との国交断絶直後は、国民が日々使うスーパーの品揃えの減少や物価高騰という結果をもたらしました。 国民はこんな状況を不満に思っているかと思いきや、今、カタールではタミム首長のイラストが大流行りしているのです。
輝かしいタミム!
タミム・アル・マジド(輝かしいタミム)というフレーズが添えられた、タミム首長のイラストが、車体、ショーウィンドウ、Tシャツなどなど、あらゆるところにあります。
カタール在住のアーティストAhmed al-Maadheedが、周辺国による国交断絶が発表されて間もなく、このイラストを自身のSNSに載せたことがきっかけで、一気に国内全土に広がりました。
今やタミム・アル・マジド運動とまで呼ばれているこの現象は、湾岸地域で孤立しているカタールの国民の団結を強化するものとなっています。 カタールの大手通信会社オレドー・カタール(Ooredoo Qatar)は、一時的にオフィシャルアイコンをこのイラストに変更し、名前までもをタミム・アル・マジドにするとSNSで発表。
またドーハ・イスラム美術館の公園では、「輝かしいタミム:団結の祭典」展(Tamim Al Majd: Celebration of Unity)が開催されています。
この展覧会では、国民によるメッセージが書かれたタミム・アル・マジドのイラストの大きなパネルが複数展示されています。
カタール国民の団結はタミム・アル・マジド運動にとどまらず、軍隊に志願する若者も増えています。
一方で、サウジアラビアにある聖地メッカ(サウジアラビア)への巡礼を希望する人や、周辺国に親族がいる人など、隣国サウジアラビアをはじめとした周辺諸国へカタールと周辺諸国の対立がこれ以上進むことを望まない国民も少なくありません。
タミム・アル・マジド運動によって国民の団結が強まる一方、孤立状態が長引くにつれて募る国民の不満の矛先、そして国民の分裂が不安視されます。
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