2016年11月22日と23日の二日間開催されるハラールエキスポ2016のプログラムの一環で行われた、日本初となるイスラム教徒のファッションショーが注目されていますが、日本は世界よりも一歩遅く、、、しかし真剣にイスラム教徒のファッションに取り組んでいると思います。

ユニクロは遅かった、、、でも真剣だ!

日本ではあまり認知されていませんが、ユニクロは2015年秋からマレーシア、シンガポール、インドネシア、タイ、2016年春からはフィリピン、アメリカ、イギリスで「HANA TAJIMA FOR UNIQLO」というシリーズを展開しています。

今年の秋からはついに日本にも上陸ということで注目されています。

東南アジアでローンチし、1年経ってやっと日本に逆輸入される「HANA TAJIMA FOR UNIQLO」は ムスリマ(女性イスラム教徒)のファッションを親身になって考えられた世界で初めての試みといっても過言ではありません。

実は、ムスリマ(女性イスラム教徒)のファッションデザインを手がけているブランドは少なくありません。
例えば、イタリアを代表する高級ファッションブランドのDolce & Gabbana(ドルチェ&ガッバーナ)はいち早くムスリマのニーズを汲み取り2016年1月より「アバヤ&ヒジャブ」コレクション(Hijab & Abaya Collection)をローンチしました。
ヨーロッパや湾岸諸国の店で扱っている「アバヤ&ヒジャブ」コレクションは、ユニクロが対象としている東南アジアのムスリマはあまり念頭にない印象です。

また、高級ブランドであるが故に、着心地の良さやムスリマのデイリーユーズの要望には応えられていないのが現状です。

DKNY(ダナ・キャラン・ニューヨーク) やMango(マンゴ)は2015年のラマダン月(イスラム教徒が絶食をする月であり一年で最も聖なる月とされている)に、ラマダン・コレクション(Ramadan Collection)をローンチしました。

ラマダン月の間、イスラム教徒は日の出から日没まで食事をしません。そして日没とともに家族や親しい人で食卓を囲みます。また絶食のため日中あまり外出せずに、日没後に外出します。ラマダン・コレクション(Ramadan Collection)は、ラマダン月の日没後の外出をショッピングに誘導する新たな戦略として打ち出されました。

さて、ムスリマ・ファッション進出が比較的遅いとされるユニクロの「HANA TAJIMA FOR UNIQLO」はどうでしょうか?

まずHANA TAJIMAとは誰?

彼女は日本人の父親とイギリス人の母親を持つイギリス在住のデザイナーです。
更に彼女自身がイスラム教徒なのです。

自身が働くムスリマ(女性イスラム教徒)だからこそ見えて来る細かい「気づき」を存分に取り入れた「HANA TAJIMA FOR UNIQLO」は、今までのムスリマを対象としてコレクションとは一線を画しています。

そもそもムスリマのファッションとはなんでしょう?

髪や肌を布で覆うファッションということは、近年のイスラムへのメディアの注目により知られていると思います。
もう一点譲れないポイントは、体のラインを強調しないことです。

実はこの「体のラインを強調しない」条件を満たしつつおしゃれな着こなしは難しいのです。

ボワっとしたオーバーサイズな服を着て、本来の体型よりも太って見えてしまう服装をして失敗した経験のある女性は少なくないと思います。

おしゃれなムスリムにとってもここが課題でした

「HANA TAJIMA FOR UNIQLO」は、ユニクロ独自の素材を生かして動きのあるデザインにすることでオーバーサイズでないのに体のラインが強調されないを実現したそう。

さらにさらに!!私が一番「HANA TAJIMA FOR UNIQLO」で感激したのが、
ユニクロのエアリズムを起用したヒジャブ(ムスリマがかぶる布)です。

季節関係なく頭を布で覆っているムスリマにとって夏の暑さ対策は課題でした。
特に夏が長く暑い東南アジアや湾岸諸国在住のムスリマにとって通気性の良いエアリズムで作られたヒジャブはマストアイテムです。

ムスリマにとっての実用性を考え抜いた日本のアパレルブランドとしてもっと日本国内でも認知され、さらには東南アジアだけでなく湾岸諸国にも進出してほしいと思います。

back in NY and on the blog hanatajima.com #uniqloxhanatajima

Hana Tajimaさん(@hntaj)が投稿した写真 –