シリア難民の知られざる心の内を引き出す写真

シリア 難民 キャンプ ヨルダン ザータリ
2012年7月29日、ヨルダン北西部の都市マフラクに設置されたザータリ難民キャンプに、シリア難民は初めて足を踏み入れた。 当初は2千のテントが設置されたが、現在は7万9千人(2016年12月4日)が暮らしている。

2011年から続くシリアの内戦、混乱ため、多くのシリア国民は近隣諸国に難民として逃れています。
長引く内戦は、難民が避難しているトルコ、レバノン、イラク、ヨルダン、エジプトをはじめとした近隣諸国においても、失業や物資不足といった問題が生じています。

国連は「シリア周辺地域・難民・回復計画」(3RP)という計画書を発表。
3RPは、難民そして受け入れ国のニーズを調査し、的確な支援を実施しようとしています。

こちらのサイトでは、国連による3RPプログラムによる周辺諸国における難民に関する最新データを見ることができます。3RPプログラムの発表によると481万710名のシリア難民がエジプト、イラク、ヨルダン、レバノン、トルコそして北アフリカで暮らしています。しかし、全員が国連や受け入れ国の公式な難民キャンプで行き届いた物資を受け取り暮らせているわけではありません。

シリア難民グラフ

このグラフは、公式難民キャンプと難民キャンプ以外の地域や施設で暮らしているシリア難民の割合を示しています。実は難民キャンプで暮らせているシリア難民は全体の10%だけなのです。その他90%は、難民キャンプ以下の過酷な環境で暮らしていると考えられています。

これらの数字から多くの情報を知ることができます。
しかし、この数字の裏にいる一人一人のストーリーは伝わってきません。
レバノンで暮らすシリア難民のオマール・イマム (Omar Imam)は、彼と同じようにシリアからレバノンに逃れてきた人々の内面を写真を通して映し出すことで、「シリア難民」という集合体ではない情報を伝えます。
オマール・イマム映像作品より
オマール・イマム映像作品より

難民キャンプで暮す人々を情報、統計として捉えません

While the world see us Syrian as numbers,I decided to see us as faces and understand the stories behind these faces.
世界中が私たちシリア人を数字で見ているのに対して、私は一人一人の顔そしてその裏に隠されたストーリーを見ようと決めた。
オマール・イマム (Omar Imam)は、自分に何ができるか?と考えたとき、統計の裏にあるシリア難民のストーリーを写真に収めようとしました。

The image of the Syrian has become equivalent to the image of death and destruction. I decided to use my tools as an artist to highlight positive and challenging stories in the hope of creating change in the region.

シリア人に対するイメージが死と破壊なっています。私はアーティストとして、こうしたイメージを脱去くするため、シリアの人々が困難を乗り越えようと前向きに努力をしている姿を映すことにした。

全ての写真の裏には膨大な人生が詰め込まれている


Omar Imam, Live, Love, Refugee series: Untitled, 2015 © Omar Imam.
Omar Imam, Live, Love, Refugee series: Untitled, 2015 © Omar Imam.

“My wife is blind. … I tell her the stories of her favorite TV series, and sometimes change the script to create a better atmosphere for her.” — Bassam, 39.

私の妻は目が見えません・・・私は彼女が楽しみにしているテレビドラマのストーリーを話してあげますが時々、彼女がより楽しめるようにストーリーを少し変えて伝えます。

Omar Imam, Live, Love, Refugee series: Untitled, 2015 © Omar Imam.
Omar Imam, Live, Love, Refugee series: Untitled, 2015 © Omar Imam.

“There was only grass. I couldn’t pass it through my throat. Yet I forced myself to swallow in front of the children so they would accept it as food.” — Amenah, 41.

食べれるものは、草しかありませんでした。草は喉を通りません。しかし子供達に草を食べ物として認識してもらうために私は無理矢理、草を飲み込みました。

 

 


Omar Imam, Live, Love, Refugee series: Untitled, 2015 © Omar Imam.
Omar Imam, Live, Love, Refugee series: Untitled, 2015 © Omar Imam.

“For a moment, I felt like we were talking to a car technician—not a doctor. We are refugees, but we are still human.”

 

一瞬、私はお医者さんではなく自動車整備士と話しているように感じました。私たちは難民ですがしかし、(機械ではありません)人間です。

 

 


Omar Imam, Live, Love, Refugee series: Untitled, 2015 © Omar Imam.
Omar Imam, Live, Love, Refugee series: Untitled, 2015 © Omar Imam.

“The gap between me and my memories from Syria is growing bigger. I’m afraid of the blankness.”

 

シリアでの思い出は日々、私から離れて行く。私はこの空白を恐れている。

 

 


Omar Imam, Live, Love, Refugee series: Untitled, 2015 © Omar Imam.
Omar Imam, Live, Love, Refugee series: Untitled, 2015 © Omar Imam.

 

“In Lebanon, I found myself in narrow places. I start feeling anxious now when I am in an open space.”

レバノンでは私の居場所はいつも狭かった。今となっては、広い空間にいると不安を感じてしまいます。

 


オマール・イマム (Omar Imam)のシュルレアリスム的作品は、難民キャンプで暮す人々が置かれた状況のみならず彼らの緊迫した精神状態を表します。