イスラエルとパレスチナ。近くて遠い二人の物語。

お互いを認め愛し合って生きることを教わっている私たちにとって、相手の死を望む状況、私が生きるには相手が死ななければならい状況を理解することは難しい。

パレスチナとイスラエルの関係はまさに、このような理解しがたい状況が長く続いている。どちらか一つを選ぶ、もしくはどちらでもないという中立的立場を選ぶのではなく、どちらでもありたい!というアクティブな考え方が必要。

11月18日にアンスティチュ・フランセ東京にて行われた、映画『ガザの海に浮かぶ小瓶』の上映後行われたトークイベントにて、原作者のヴァレリー・ゼナッティは本作品のメッセージそして未来へと希望を熱く語りました。

彼女はユダヤ系フランス人としてフランスで生まれ、13歳から21歳までイスラエルで過ごしました。多感な10代を緊張感高まるイスラエルで過ごしたヴァレリーの経験をもとに描かれた本作品は、高い壁で隔たれたイスラエルとパレスチナの近くて遠い関係を描いています。


ストーリー

フランス生まれの少女タルは、親の事情で両親の祖国であるイスラエルに住むことになります。フランスでは考えられなかったパレスチナ人による自爆テロの恐怖や、徴兵制度、そして何よりも高い壁の向こうで暮らすパレスチナ人の存在は、多感なタルを困惑させます。

近所で起こったパレスチナ人による自爆テロにより結婚式を迎えていた若い女性が命を落としたとニュースで知ったタルは、なぜテロをするのか?なぜ人の命を奪うのか?直接パレスチナ人に聞きたくなり、兵役中の兄に頼んでメッセージが入った小瓶を海に投げてもらいます。

小瓶はガザで暮らす少年ナイームの手もとに。小瓶の中には「パレスチナ人とは誰なの?あなたについて教えて」と書かれた紙が一枚。ナイームはガザのネットカフェから紙に描かれたメールアドレスにメッセージを送ります。

メールで交わされる疑問、怒り、戸惑い、、、そしてそこから生まれる友情。

二人が壁を超えて出会う日は来るのだろうか。


憎しみは良くないといくら言ってもスローガンでしかない。スローガンでは伝わらない想いを物語を通して訴えたい。

自身は楽観主義者であると語る原作者のヴァレリーは、“いつか平和はくると信じている。でもその時には私たちはもう生きていないかもしれない。だけど、平和な未来を作るためにも、今、私たちが心の扉が閉じる前の若者にメッセージを伝えなければならない”と若者への希望そして私たち大人の責任を訴えます。