作家の声を届けるインタビュープロジェクト
Art with Distance 3
//パレスチナ出身のアミーナ・カドゥス//


インタビューシリーズArt with Distanceではコロナウィルスによる世界的パンデミックの中どのように制作活動を続けているのか、中東地域にゆかりのあるアーティストの声をお届けしてきました。今回はエジプトで活動するアーティストAmina Kadousさんのインタビューです。彼女はこれまでオールドカイロの街で暮らす人々の姿や自身のファミリーヒストリーを通してエジプトの姿を捉えてきました。写真を使った作品が多く、彼女は写真を忘れ去られてしまう瞬間を未来に持っていくための大切なツールだと話しています。

数ヶ月間隔離生活を送ったにも関わらず自身もコロナウィルスに感染してしまい、また親族をコロナで亡くしてしまった彼女。カイロで貧困線以下の生活を送る人々の姿を追ってきた彼女は隔離生活そしてマスクはエジプトでは贅沢なことだと話します。彼女自身は家族と共に家で不自由なく暮らし、高騰するマスクを買うことができているけど、貧困状態で暮らす人々は狭いスペースを多くの人と共有することが強いられていて隔離生活がうまく機能していません。また需要が高まり高騰化するマスクも贅沢品です。彼女は、エジプトで貧困状態で暮らす人々にとってコロナよりも大変な問題をたくさん抱えていると話していました。
ファミリーヒストリーのリサーチを通して現在の自分のアイデンティティを模索し、さらにはエジプトのこれからの姿を考察するアーティストAmina Kadousにとってホームそして家族の意味とは?ぜひこのコラムと合わせてポッドキャストを聞いてください。

また彼女が現在取り組んでいるWhite Goldは彼女の父方の先祖がずっと暮らしてきた街アル・マハッラ・アル・クブラー 、通称マハッラの歴史を紐解くプロジェクトです。マイル川のデルタ地帯に位置するこの街は古くから繊維産業が盛んでした。Aminaはこのプロジェクトでエジプトの歴史を繊維産業の歴史と交差させて探究します。エジプトの繊維産業が1927年にマハッラの街で始まりました。またそれ以前も古代エジプト時代この地は最も質の高いシルクを生産する街として知られていました。彼女は曽祖父の代からこの地で繊維産業に携わっていた家族史とエジプトの歴史を織り交ぜてリサーチしています。このプロジェクトはアラブのアートと文化を支援する基金AFAG の助成を受けています。


seeME//Podcast// episode 4 をお聞きいただきまた関連コラムを読んでいただきありがとうございました。
*ポッドキャストをまだお聞きでない方はこのページの一番下にスクロールしていただきましたらお聞きただけます。

今回インタビューに答えていただいたAmina Kadousはインスタグラムで最新情報を配信しています。

公式ウェブサイト:http://aminakadous.com
instagram:https://www.instagram.com/amina.kadous/

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